退職代行の料金は、安いところなら1万円台。労働組合が運営するサービスでも2万円前後からあり、弁護士に依頼すると内容によって5万円を超えることがあります。
ただ、料金表の数字だけでは決めにくいのが退職代行です。「後払いOK」でも手数料が加わることがあり、「追加料金なし」でも退職届や貸与品を送る送料などは自分で負担する場合があります。
会社に退職の意思を伝えてもらうだけでいいのか、有給や退職日について会社と話してほしいのかでも、選ぶ相手は変わります。料金だけでなく、その金額で何をしてもらえるかまで見ておく必要があります。
15,000円
19,800円
22,000円
正社員・契約社員等
24,000円
所定の支払期限内
27,500〜77,000円
※2026年8月12日に各公式サイトで確認した料金例です。雇用形態・プラン・支払条件などで金額は変わります。
退職代行の料金は1万円台〜。内容によっては5万円を超える
退職代行は、サービスによって料金差がかなりあります。相場感をつかむには、いま実際に申し込めるサービスの金額をいくつか並べてみるのが分かりやすいです。
| サービス | 公式掲載料金の例 | 料金を見るときのポイント |
|---|---|---|
| 退職代行EXIT | 15,000円 | 公式サイトでは追加料金0円と案内 |
| 退職代行ガーディアン | 19,800円 | 労働組合。加入費+組合費として一律料金を案内 |
| 退職代行モームリ | 22,000円 パート・アルバイトは12,000円 |
雇用形態で料金が分かれる。後払いは別条件 |
| 退職代行ヤメドキ | 24,000円 / 30,000円 | 退職日決定等から支払うまでの日数で料金が変わる |
| 弁護士法人みやび | 27,500〜77,000円 | プランにより対応範囲が異なり、回収額に応じた費用が発生する場合もある |
現在の料金例では、1万5,000円から7万円台まで幅があります。
ここで「1万5,000円だから一番得」と決めるのは早いです。退職代行は、会社にどこまで対応してもらうかによって、必要なサービスが変わります。
料金は2026年8月12日に各公式サイトで確認しています。変更されることがあるため、申込前には最新の料金と条件をもう一度確認してください。
料金差が出る理由は「誰が会社に対応するか」
同じ「退職代行」でも、民間企業・労働組合・弁護士では、会社に対してできることが同じではありません。料金を見るときは、誰が会社へ連絡し、必要になった場合に誰が交渉するのかまで見ておくと判断しやすくなります。

民間企業は、退職の意思を伝えてもらいたい人向け
民間企業の退職代行では、本人に代わって「退職したい」という意思や、会社に伝えてほしい希望を連絡するサービスが中心です。
一方で、退職日・未払い賃金・損害賠償など、法律上の権利義務について争いがあり、相手と交渉する必要がある場合は話が変わります。
弁護士や弁護士法人ではない者が、報酬を得る目的で法律事務を業として取り扱うことは、弁護士法72条により原則として禁止されています。
見るべきなのは、実際に会社へ連絡するのは誰か、交渉が必要になったときに誰が担当するのかです。
労働組合は、労働条件について会社と団体交渉できる
労働組合法第6条では、労働組合の代表者などに、組合や組合員のために使用者と交渉する権限が認められています。第7条では、使用者が正当な理由なく団体交渉を拒むことも禁止されています。
たとえば退職代行ガーディアンは、有給取得、退職日、退職書類、未払い給与などを交渉対象として公式サイトに掲げています。
ただし、労働組合ならどんな要求でも必ず通る、という意味ではありません。 団体交渉には応じる義務があっても、会社に要求どおり譲歩する義務まであるわけではありません。また、労働問題の範囲を超える法律事務は別です。
請求や法的トラブルまであるなら、弁護士も候補になる
すでに未払い残業代を請求したい、会社から損害賠償を求められている、ハラスメントについて法的な対応も考えている、といった事情があるなら、最初から弁護士へ相談した方が話が早いことがあります。
弁護士法人みやびでは、退職代行費用として27,500〜77,000円を掲載しており、残業代・退職金などについて会社が支払いを拒否し、弁護士が交渉した場合には、回収額の20%というオプション費用も案内しています。
「高い・安い」だけではなく、自分が必要としているところまで料金に含まれているかで見ると、違いが分かりやすくなります。
基本料金以外にかかるお金
「追加料金なし」と書いてあっても、退職に必要な実費まで全部0円とは限りません。基本料金とは別に、自分で負担するお金がないかも見ておきたいところです。
たとえばモームリの特定商取引法に基づく表記では、サービス料金とは別に、会社へ書類や貸与品を送る送料、通信料金が利用者側にかかる費用として記載されています。
確認しておきたいのは、次のようなお金です。
- 後払いの手数料:後払いを選ぶと料金が上がることがある
- 組合費・加入費:基本料金とは別表示になっていないか
- 成功報酬:金銭を回収した場合に割合で発生するか
- 郵送費:退職届や貸与品を会社へ返す送料
- キャンセル料:どの時点から料金が発生するか
比べるときは、基本料金ではなく、最終的に自分が払う総額で見ると分かりやすくなります。
後払いは便利。ただし手数料と期限を見る
「明日もう会社に行きたくない。でも給料日前で手元のお金が少ない」。そんなときに後払いは助かります。ただし、「後払いOK」の中身はサービスごとに違います。

ヤメドキでは、退職日が決定した後などから7日以内に支払う場合は24,000円、8日以降30日以内なら30,000円としています。31日以降は、30,000円に対して年14.6%の割合による遅延損害金が発生する旨も記載されています。
モームリは「モームリあと払い」について、会社連絡日から1か月後まで支払いを延ばせる一方、手数料として3,000円(税込)がかかると案内しています。
- 後払いに手数料があるか
- いつまでに払えば表示料金なのか
- 支払いが遅れると基本料金自体が変わるか
- キャンセルした場合にも支払いが必要か
「即日対応」でも、今日付で退職できるとは限らない
急いでいると「即日対応」「即日退職」という言葉に目が行きます。ただ、今日会社へ連絡してもらえることと、今日の日付で雇用契約そのものが終わることは同じではありません。
厚生労働省の案内では、期間の定めのない労働契約の場合、労働者が退職を申し入れると、会社が承諾しない場合でも原則として2週間後に労働契約が終了すると説明されています。
会社へ退職意思を伝える
有給・会社との合意などを確認
契約関係が終了
「今日会社へ連絡してもらえる」=「必ず今日付で退職できる」ではありません。会社が当日退職に同意する場合もあれば、退職日まで残っている有給休暇を使う形になることもあります。
なお、厚生労働省は、退職日までに残っている年次有給休暇を使い切りたいと請求した場合、退職後に取得日を変更することはできないため、使用者はその取得を認めるほかないと説明しています。
有期契約は別です。 契約期間が決まっている場合、期間途中の退職には「やむを得ない事由」など別のルールがあります。契約社員などで期間途中の退職を考えている場合は、自分の契約内容を確認してください。
申し込む前に、この5つを確認
何社も料金表を見比べる前に、次の5つを押さえておくと選びやすくなります。
-
01
総額
基本料金だけでなく、後払い・組合費・成功報酬まで見る。
-
02
対応する主体
民間企業、労働組合、弁護士のどれかを確認。
-
03
必要な対応範囲
意思を伝えるだけで足りるのか、交渉まで必要なのか。
-
04
後払いの条件
手数料、期限、料金変更の有無を確認。
-
05
キャンセル条件
いつから料金が発生し、返金されなくなるかを見る。
たとえば、会社へ「辞める」という意思を伝えてもらえれば十分な人と、有給や退職日について会社と話してほしい人では、選ぶサービスが違います。
自分に必要な対応を先に決め、その範囲をカバーできるサービス同士で料金を比べると、単純な安さだけで選ぶより迷いにくくなります。
退職代行の料金でよくある疑問
2万円くらいでも退職代行は使えますか?
はい。2026年8月時点では、EXITが15,000円、退職代行ガーディアンが19,800円、モームリが正社員・契約社員等22,000円など、2万円前後のサービスが複数あります。
料金だけでなく、「誰が対応するか」「会社との交渉が必要になった場合にどうなるか」まで確認しておきましょう。
労働組合なら有給について会社と話してもらえますか?
労働組合法では、労働組合の代表者などに組合員のために使用者と交渉する権限が認められています。実際に、有給取得や退職日などを交渉対象として案内している退職代行労組もあります。
ただし、具体的な対応範囲は各組合・サービスによって異なり、要求した内容が必ず実現するという意味でもありません。依頼前に、自分が希望する内容を扱えるか確認してください。
「弁護士監修」なら会社と交渉してもらえますか?
「弁護士がサービスを監修していること」と「その弁護士が利用者の代理人として会社と交渉すること」は別です。
交渉まで必要なら、実際に誰が勤務先へ連絡し、誰が交渉を担当するのかを確認しましょう。
後払いなら、手元にお金がなくても無料で先延ばしできますか?
必ずしもそうではありません。後払い手数料が設定されていたり、支払日によってサービス料金自体が変わったりする例があります。
「後払いOK」という表示だけでなく、手数料・期限・キャンセル時の扱いまで確認しておきましょう。
一番安いサービスを選べば十分ですか?
会社へ退職の意思を伝えてもらうだけで目的を果たせるなら、安いサービスが合う場合もあります。
一方で、有給、未払い賃金、損害賠償など会社との話し合いや法律問題が絡む場合は、必要な対応を先に決め、その対応ができるサービスの中で料金を比較した方がよいでしょう。
料金だけで決めず、必要な対応まで含めて比べる
2026年8月時点では、1万円台〜3万円前後で利用できる退職代行が複数あります。一方、弁護士に法律上の交渉や請求まで依頼するプランでは、5万円を超えるものもあります。
金額だけではなく、次の4点まで一緒に見ると選びやすくなります。
- 最終的な支払総額はいくらか
- 実際に会社へ対応するのは誰か
- 自分が必要なところまで対応範囲に入っているか
- 後払いやキャンセルの条件はどうなっているか
「退職の意思を伝えてほしい」のか、「有給や退職日について会社と話してほしい」のか、「すでに法律トラブルがある」のか。必要な対応を先に分けて考えると、料金の高い・安いも判断しやすくなります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律相談ではありません。料金・サービス内容は変更される場合があります。具体的な労働トラブルや法律問題がある場合は、弁護士や公的な労働相談窓口などへの相談も検討してください。

